アンリツ、140Gbaudバイアスティ内蔵 広帯域リニアアンプ「AH15203A」の販売を開始

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安和 賢二(やすわ けんじ)

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アンリツ、140Gbaudバイアスティ内蔵 広帯域リニアアンプ「AH15203A」を販売開始

アンリツ株式会社は、2026年5月29日より、通信速度1テラ超時代の光伝送デバイス評価に必要な140Gbaudバイアスティ内蔵広帯域リニアアンプ「AH15203A」の販売を開始しました。バイアスティとは、高周波信号線に直流電圧・電流を重ね合わせて供給、または抽出するためのコンポーネントです。リニアアンプは、入力信号を一定の比率で増幅して出力する増幅器を指します。

製品の特長

このたび販売が開始されたバイアスティ内蔵広帯域リニアアンプ「AH15203A」は、-6dB帯域で200kHzから125GHzという広い周波数特性を備えています。これにより、140GbaudまでのPAM4信号を2.0Vppまで増幅することが可能です。

PAM4とは、Pulse Amplitude Modulationの略で、振幅変調により伝送容量を向上させる方式であり、4値(00, 01, 10, 11)での振幅変調方式を指します。

信号の増幅度を示すゲイン特性は+15.0dBと高く、信号の正しいタイミングからのゆらぎを示すジッタ特性は300fsという低い値を実現しています。これにより、伝送路で減衰した高品質な信号波形を忠実に増幅して出力することができます。

AH15203Aは、DSP(Digital Signal Processor)などの各信号源からの140Gbaud PAM4信号を増幅でき、高振幅でオフセットが必要な変調器などのデバイスを直接駆動することが可能です。そのため、次世代の伝送方式として注目されている800GbEや1.6TbEのデジタルコヒーレント方式、および光通信で広く用いられるIM-DD(Intensity Modulation-Direct Detection)方式の光変調器を評価する際の増幅器として適しています。

また、AH15203Aはバイアスティを内蔵しながらも帯域幅125GHzと広帯域を実現し、140Gbaudの高速・高出力(2Vpp)データ伝送を1.5Wの低消費電力で実現しています。「Gbaud」はデータ伝送速度を表す単位で、140Gbaudは1秒間に1,400億回の信号変化が行われる通信速度を示します。

AH15203Aには専用電源が装備されており、電源の取り扱い不備によるリニアアンプの破損リスクが低減されています。

AH15203Aバイアス内蔵広帯域リニアアンプと専用電源

開発の背景

AIおよびMachine learning関連のトラフィック増加に伴い、サーバーやネットワーク機器の通信速度のさらなる高速化が課題となっています。

高速ネットワークを支える次世代イーサネット規格IEEE802.3djでは、200 Gbps/Laneに高速化した変調方式(IM-DD方式)や、800GBASE-LR1(10km用)、800GBASE-ER1-20(20km用)、800GBASE-ER1(40km用)など、デジタルコヒーレント方式の標準化が進められています。また、これまで電気信号で行っていた短距離通信(30m未満)を、光化して200Gbps/波長に高速化する標準化(IEEE802.3ds)も開始されています。

通信速度が速くなると信号の減衰量が大きくなる特性があることから、PAM信号を忠実に増幅し、オフセットを付加した信号で変調器(EML, DML, VCSEL)を直接駆動できるバイアスティ内蔵の高出力リニアドライバが求められていました。

対象市場・用途

AH15203Aの対象市場は、光・電気高速デバイスメーカー、光信号試験用の計測器メーカーです。用途としては、140Gbaud対応の高速光デバイス評価に活用されます。

アンリツの貢献

アンリツは、今回のバイアスティ内蔵広帯域リニアアンプの提供を通じて、データセンターおよびネットワーク機器の高速化の普及と、円滑な運用に貢献していくとしています。

アンリツに関する詳細情報は、以下の公式サイトをご覧ください。

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