「薄膜ホール素子の商用化」がIEEEマイルストーンに認定

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安和 賢二(やすわ けんじ)

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薄膜ホール素子の商用化がIEEEマイルストーンに認定

旭化成エレクトロニクス株式会社が1983年に開始した「薄膜ホール素子の商用化」が、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)より、IEEEマイルストーンとして認定されたことが発表されました。

電子部品

IEEEマイルストーンは、1983年にIEEEによって創設された制度です。電気・電子の広範な分野において達成された画期的なイノベーションの中で、開発から少なくとも25年以上経過し、社会や産業の発展に多大な貢献をした歴史的業績を認定するものです。

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薄膜ホール素子の特徴と社会貢献

旭化成エレクトロニクス株式会社が1983年に商用化した薄膜高感度ホール素子は、薄膜インジウムアンチモン(InSb)を磁性体であるフェライト基板とフェライトチップで挟み込むことで磁束を収束させ、感度を大幅に向上させました。また、電極構造の工夫と金ワイヤーボンディングの採用により、高感度、高信頼性、優れた温度安定性、そして量産性を実現しています。

マイクロチップ

今回の認定では、これらの特徴によって大規模生産が可能となり、磁気センサーを幅広い分野へ普及させることに大きく貢献した点が評価されました。

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幅広い電子機器への応用と今後の展望

この薄膜高感度ホール素子は、主にブラシレスモーターに用いられ、ビデオカセットレコーダー、フロッピーディスクドライブ、CD-ROM、冷却ファンなど、多くの電子機器に採用され、世界市場で広く普及してきました。1983年に登場したHWシリーズは、薄膜ホール素子を用いた磁気センサー量産化の第一歩となり、その後の技術発展と応用拡大の礎を築いたとされています。

薄膜ホール素子は基本構造を維持しながら性能を進化させ続け、それまで産業用途が中心であった磁気センサーを小型化し、大量生産を可能にすることで、家庭用電子機器への広範な応用を実現しました。現在では、世界中の電子機器に搭載される磁気センサーの標準技術の一つとして広く認知されています。

今回認定されたホール素子量産技術を基盤として、精密位置検出や電流センサーといった新たなセンシング分野にも磁気センサーの応用が拡大されています。スマートフォンのカメラ性能向上(手ブレ補正・AFユニットの性能向上)や、電気自動車の航続距離延伸など、デジタル機器やモビリティの高性能化にも貢献しています。この量産技術は、ホール素子だけでなく、赤外線センサーやLEDなどの多様なデバイスにも応用されています。

旭化成エレクトロニクス株式会社の執行役員である竹原 聡氏は、「薄膜高感度ホール素子は、1983年の商用化以来、長きにわたり多くのお客さまの製品や事業を支える技術として活用されてきました。今回のIEEEマイルストーン認定を新たな励みとして、これからもお客さまが安心して使い続けられるよう品質と信頼性の維持・向上に努めるとともに、変化する市場や社会のニーズに応え、より新たな価値を創出する技術開発に引き続き取り組んでまいります」とコメントしています。

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IEEEについて

IEEE(アイ・トリプル・イー)は、電気・電子工学、通信、コンピュータ、情報技術などの分野で技術革新を推進する世界最大級の専門家組織です。約190か国に50万人の会員を擁し、国際的な標準化活動、学術論文の発行、技術会議の開催等を通じて、科学技術の発展と社会への貢献を目指しています。

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