自動運転の安全性向上へ、「ダイナミックマップ 2.0」が無償公開
名古屋大学の研究コンソーシアムが開発した、自動運転車と道路インフラをつなぐ情報通信基盤「ダイナミックマップ 2.0」が、2026年5月15日(金)よりGitHub上で無償公開されました。
富士ソフト株式会社もこのコンソーシアムに参画しており、このプラットフォームの無償公開は、これまで課題とされてきた一般道における自動運転の「死角」をなくし、安全性を高めることを目的としています。また、バラバラだった通信仕様を共通化することで、自動運転の社会実装を後押しすることが期待されます。
日本の自動運転が直面していた課題
欧米や中国では、協調型ITS(Intelligent Transport Systems)やインフラ協調型自動運転の取り組みが加速しています。しかし、日本の一般道路は、見通しの悪い交差点が多く、車載センサーのみの自動運転では、死角からの飛び出しに備えて低速度での走行が必要となるため、安全かつ円滑に走行できる場所が限られていました。
加えて、これまでの実証実験では、通信仕様やシステムが個別に最適化されてきたため、互換性や拡張性が社会実装に向けた課題となっていました。これらの状況を踏まえ、基盤部分をオープン化し、誰もが利用できる形で提供する取り組みが求められていました。
「車だけでは見えない世界」を共有する情報通信基盤
「ダイナミックマップ 2.0」は、車両、路側機、クラウドをつなぎ、情報連携を支援する情報通信基盤です。路側機とは、LiDARやカメラなどのセンサー、物体認識処理のための小型コンピュータ、通信装置を搭載した装置を指します。
このプラットフォームは、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム・自動走行システム(SIP-adus)のプロジェクト内で重点分野の一つとして扱われています。路側機に搭載されたセンサーが提供する物標情報やフリースペース情報、信号機の灯色情報や残り時間、自動運転に必要な高精度道路地図などを扱うことができ、無線方式に依存しない共通インターフェースを提供します。
情報仕様を共通化することで、インフラ側のソフトウェア開発を効率化し、自治体や事業者における協調型自動運転の導入コスト低減に寄与します。

レベル4自動運転プロジェクトでの検証実績
「ダイナミックマップ 2.0」は、千葉県柏市でのレベル4自動運転プロジェクトでも活用され、その実用性・有効性が確認されています。レベル4自動運転とは、特定の条件・範囲内において、人間の運転手を必要とせず、システム主体で行われる自動運転のことです。
このプロジェクトは、経済産業省と国土交通省が取り組んでいる、千葉県柏市でのレベル4自動運転の社会実装のためのものです。
- 経済産業省ニュースリリース「一般道における中型バスでのレベル4自動運転による運行を開始します」
https://www.meti.go.jp/press/2025/01/20260113001/20260113001.html
信号情報や残り時間、道路上の物体情報などを統合的に扱うことで、都市部における高度な自動運転にも対応できることが示されています。
無償公開がもたらすエコシステムの形成
富士ソフトは、2023年より「先進モビリティサービスのための情報通信プラットフォームに関するコンソーシアム」に参画し、協調型自動運転や都市交通分野における社会実装を支援してきました。このコンソーシアムは、名古屋大学未来社会創造機構モビリティ社会研究所と情報学研究科附属組込みシステム研究センターが推進している産学連携の共同研究体です。
- 先進モビリティサービスのための情報通信プラットフォームに関するコンソーシアム
https://www.nces.i.nagoya-u.ac.jp/admobi-dm2/index.html
「ダイナミックマップ 2.0」は、このコンソーシアムの活動の一環として開発されたものです。今後、富士ソフトは、このプラットフォームの活用を検討する自治体や事業者に対し、要件整理からシステム構築、実証・導入に至るまでの技術支援を行い、社会実装を後押ししていく予定です。
これにより、「ダイナミックマップ 2.0」をインフラ協調型モビリティにおける共通開発基盤として位置づけ、信頼性と効率性の向上を図りながら、多様なプレイヤーが参加できるエコシステムの形成を目指すとしています。
ソフトウェア配布元情報
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プロジェクト名:Dynamic Map 2.0 Platform
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ライセンス形態:MITライセンス
関連情報
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富士ソフトと名古屋大学、都市交通を最適化するスマート道路を目指し、バス専用レーンを活用した走行課金システムの技術検証を実施
https://www.fsi.co.jp/company/news/20241210.html -
富士ソフト株式会社 関連ニュースリリース
https://www.fsi.co.jp/company/news/20260515.html





