芝浦工業大学、運転者の意図を認識する電動バイク制御技術を開発 「曲がりたい」と「転びそう」を見分けて転倒を防止

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安和 賢二(やすわ けんじ)

愛車歴20年!メインはトヨタ車。カーリースを活用して維持費を最大限抑えながら好きな車にも気軽に乗れるカーライフを送ってます。これまでのモーターライフで得た経験をもとに、維持費を抑えて賢く運転する情報を発信する「enjoyモーターライフ」を運営。

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運転者意図認識型・状況適応安定化制御システムとは

芝浦工業大学のシステム理工学部 桑原央明准教授と大学院理工学研究科修士課程 塚瀬翔太氏は、電動バイクの新しい制御技術「運転者意図認識型・状況適応安定化制御システム」を開発しました。このシステムは、運転者の運転意図をリアルタイムで推定し、必要な場合にのみ車体の安定化制御を行うことが特徴です。

曲がりたいと転びそうを見分ける電動バイク

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技術のポイント

この技術は、Steer-by-Wire(SBW)技術と人工知能(機械学習)を融合しています。SBWにより、運転者がハンドルに加える力と、タイヤが路面から受ける反作用力を分離して取得できます。これにより、運転者が自ら曲がろうとしているのか、それとも転倒につながる不安定な状態に陥っているのかを識別することが可能になりました。

主なポイントは以下の通りです。

  • 機械学習により運転者の「直進」「旋回」「不安定状態」をリアルタイムに識別します。

  • 転倒の危険がある場合のみ安定化制御を作動させ、自然な操縦感覚を維持します。

  • 運転者のハンドル操作力と路面からの反作用力を分離して取得し、運転者の「曲がりたい」という意図をより正確に推定します。

  • 運転者の意図を理解した上で支援を行う、人間中心型の運転支援技術を実現しています。

  • 高齢者向けモビリティ、電動アシスト自転車、配送モビリティなどへの応用が期待されています。

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研究の背景と従来の課題

自動車分野では自動運転や高度運転支援システムの実用化が進む一方で、二輪車では車体を傾けて旋回するという特性から、運転者の意図と転倒リスクの区別が難しく、高度な運転支援技術の普及は限定的でした。

従来の安定化制御では、車体が傾くと自動的に姿勢を戻そうとするため、運転者が意図的に旋回しようとした場合でも制御が介入し、操作感を損なうという課題がありました。また、通常の機械式ハンドルでは、運転者の操作力と路面からの反力が混在するため、運転者の意図を正確に読み取ることが困難でした。

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研究内容の詳細

本研究では、Steer-by-Wireを搭載した実験用電動バイクが開発されました。このシステムでは、ハンドルと前輪が機械的に切り離され、電気信号によって操舵が行われます。これにより、運転者がハンドルに加える力と、タイヤが路面から受ける反作用力を分離して抽出することが可能になりました。運転者がハンドルに加える力には操作意図が反映され、路面からの反作用力には走行状態や路面状況、車体の不安定さに関する情報が含まれます。

さらに、車速、操舵角、車体の傾き、路面反力などの情報を機械学習に入力し、深層学習モデル(LSTM)によって走行状況を「直進」「旋回」「不安定状態」の3つに分類します。システムが「不安定状態」と判断した場合のみ、車体姿勢を回復させる安定化制御が作動し、「旋回」と判断した場合には制御は介入せず、運転者本来の操縦が尊重されます。実験では、カーブ走行時と転倒につながる不安定状態を高精度で識別し、適切なタイミングでのみ姿勢制御を行えることが実証されました。

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今後の展望

この技術は、従来の「車体を安定化させる」制御から一歩進んだ、「運転者の意図を理解したうえで支援する」人間中心型の運転支援技術です。今後は、より多様な走行環境への対応や路面状況推定技術の高度化が進められる予定です。また、高齢者向け転倒防止自転車、電動アシスト自転車、配送用二輪モビリティ、自律移動ロボットなどへの応用が目指されています。

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論文情報

本研究成果は、メカトロニクス分野の国際学術誌「IEEE/ASME Transactions on Mechatronics」に掲載されました。

  • 論文タイトル:Rider-Intent-Aware Scenario-Adaptive Stabilization Control for a Steer-by-Wire Bike

  • DOI:10.1109/TMECH.2026.3699418

  • Print ISSN:1083-4435

  • Online ISSN:1941-014X

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芝浦工業大学について

芝浦工業大学は、工学部、システム理工学部、デザイン工学部、建築学部、大学院理工学研究科を有する理工系大学です。グローバル教育と産学連携の研究活動が特長で、東京都(豊洲)と埼玉県(大宮)に2つのキャンパスを持ち、約10,000人の学生と約300人の専任教員が所属しています。2027年には創立100周年を迎え、アジア工科系大学トップ10を目指しています。

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