2025年中国自動車業界、販売3,440万台で過去最高を記録 ~新エネルギー車の販売拡大が市場を牽引~

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安和 賢二(やすわ けんじ)

愛車歴20年!メインはトヨタ車。カーリースを活用して維持費を最大限抑えながら好きな車にも気軽に乗れるカーライフを送ってます。これまでのモーターライフで得た経験をもとに、維持費を抑えて賢く運転する情報を発信する「enjoyモーターライフ」を運営。

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2025年中国自動車業界、販売3,440万台で過去最高を記録

2025年における中国の自動車販売台数(輸出を含む)は、過去最高の3,440万台に達し、17年連続で世界一となりました。中でも、新エネルギー車(NEV:New Energy Vehicle)の販売台数が大きく伸長し、全体の47.9%となる1,649万台がNEVで占められ、中国自動車業界の主流となったことが示されています。

本レポートでは、こうした市場拡大を支える要因を整理するとともに、貿易摩擦の強まりや価格競争の激化、資金繰りの逼迫など、今後の成長を左右し得る課題を概観します。

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中国自動車業界の好調要因

新エネルギー車(NEV)が自動車輸出を牽引

2025年における中国の自動車輸出は、709.8万台(前年比+21.1%)となり、初めて700万台を突破しました。そのうち、ガソリン車は前年比-2.0%と停滞気味であるのに対し、NEV輸出台数は前年比で約2倍となり、輸出全体の3分の1を占めるまでに拡大しています。中国の自動車輸出は、従来のガソリン車中心からNEV中心へと移行しつつある状況です。

中国の自動車輸出台数推移

また、日中の自動車輸出台数を比較すると、2023年に中国が日本を上回って以降、その差を広げています。これは、NEV分野における技術革新と中国ブランドの競争力向上が影響していると考えられます。

中国・日本の自動車輸出台数推移

中国国内販売数では50%以上がNEV

2025年の中国国内向け自動車販売台数2,730万2,000台(前年比+6.7%)のうち、NEVは1,387万5,000台(同+19.8%、シェア50.8%)を占め、主流に躍り出ました。政府の購入支援策に加え、車種の多様化や充電インフラの整備などがNEVの販売拡大を後押ししたとみられます。

世界でも中国NEVメーカーが存在感を示す

2025年の世界でのEV(バッテリーEVとプラグインハイブリッドを合算)販売台数ランキングでは、中国のBYDが1位を維持しているほか、Geely(吉利)、Wuling(五菱)などが上位にランクインしました。ランキング上位20社中に中国メーカー10社がランクインしており、中国勢が電動車市場で存在感を高めていることを示唆しています。

2025年の世界でのEV販売台数ランキング

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中国自動車市場での各国メーカーの状況

各国メーカーのシェア縮小

2025年における中国国内で生産された乗用車の販売台数3,010万3,000台に対し、中国系メーカーの市場シェアは69.5%となり、中国国内の販売シェアを伸ばしています。他方、外資系メーカーの市場シェアは、ドイツ系が前年比2.5ポイント減、日系が1.5ポイント減、米国系が0.5ポイント減、韓国系が0.1ポイント減といずれもシェアが縮小しています。

中国乗用車市場における各国ブランドの販売シェア推移

日系メーカーの明暗

日系メーカー3社の中国新車販売数をみると、2024年にはトヨタ自動車(以下、トヨタ)、日産自動車(以下、日産)、本田技研工業(以下、ホンダ)の3社すべてで前年比減少となっていました。しかし2025年では、トヨタが前年比0.2%増(178万400台)となり、微増ながら2021年以来4年ぶりのプラスに転じています。他方、日産とホンダは、それぞれ同6.3%減(65万3,024台)、同24.3%減(64万5,345台)となり、依然として厳しい状況が読み取れます。

NEVシフトや価格競争などの厳しい市場環境の中で、トヨタは新型NEVの投入が販売を下支えしました。中国市場の主戦場となるNEVへの対応力や価格競争力の差が、各社の明暗を分けた結果となったと考えられます。

中国での日系メーカーの新車販売台数推移

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中国自動車業界の今後の課題

貿易紛争の激化から、成長率鈍化の見通し

2025年の中国自動車業界は、貿易保護主義政策やグローバルなサプライチェーン再編など、外部環境の変化に直面しました。メキシコ、ロシア、EU、ブラジルなどの主要輸出先で関税引き上げが相次ぎ、現地での競争力が大きく低下しているほか、米国などの一部市場では、NEVに対して高関税が課され、中国の自動車輸出業界は大きな制約を受けています。さらに、部品や原材料の現地調達を求める動きも広がり、輸出拡大の障害となっています。

こうした中でも、BYDやGeelyでは、ブラジルをはじめとする海外市場での工場建設を本格化させ、中国メーカーは従来の「完成車輸出」から「現地生産」への転換を図る形で、グローバル戦略を見直しつつあります。これを背景に、中国自動車工業協会(CAAM)は、2026年の自動車輸出台数を前年比+4.3%の740万台と予測しており、2025年の+21.1%から成長率が大きく鈍化する見通しです。

倒産の増加と資金繰りの逼迫

中国自動車業界は、急成長を遂げている一方で、過剰な生産と国内需要の伸び悩みによる価格競争の激化など、深刻な構造的課題にも直面しています。利益率の低下や在庫の増加、資金繰りの悪化などにより競争力を失った企業の倒産が続いています。

かかる中、キャッシュフロー確保を図る大手自動車メーカーによって、下請け企業への支払いを長期化・遅延させる事案が増加したことを受け、政府は対策として、大企業から中小企業への支払いを納品から60日以内とすることなどを定めた「中小企業代金支払保障条例」を2025年6月1日に施行しました。現場では「60日以内の支払いは難しい」との声が多く、実行性に課題を残しています。

近年の自動車関連企業の倒産情報

技術革新加速の必要性

中国自動車業界は、「電動化・知能化・ネットワーク化・共有化」を軸に技術革新を加速させたことで、L2レベルの運転支援機能を搭載した乗用車の普及率は64%に達し、L3レベルの自動運転も商業化を実現しました。

一方で、技術革新が競争力に直結する局面では、開発投資の継続に加え、ソフト面・ハード面の安全対策や品質、データ規制対応まで含めた量産・運用体制を整えられるかが、各社の生存と収益性を左右するとみられます。

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まとめ

2025年の中国自動車業界は、NEVを武器に市場規模のさらなる拡大を実現しました。NEVが業界の主力へ躍り出たことで、中国ブランドの存在感が一段と高まり、勢力図に大きな変化が表れています。

一方で、世界的な貿易摩擦や価格競争の激化、資金繰りの逼迫など、構造的な課題も顕在化しており、自動車業界の持続的な成長には一層の戦略的対応が求められます。

本調査の詳細は、以下のサイトよりご覧いただけます。

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