MAHLE、電気トラック向けレンジエクステンダーとレアアース不使用eモーターを発表

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安和 賢二(やすわ けんじ)

愛車歴20年!メインはトヨタ車。カーリースを活用して維持費を最大限抑えながら好きな車にも気軽に乗れるカーライフを送ってます。これまでのモーターライフで得た経験をもとに、維持費を抑えて賢く運転する情報を発信する「enjoyモーターライフ」を運営。

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電気トラックの課題を解決するレンジエクステンダー

道路交通業界は、CO₂排出量削減と経済的な運行の両立という厳しい要求に直面しています。特に長距離輸送では、充電インフラの不足、長い充電時間、高額な充電コストがバッテリー電気トラック(BEVトラック)の普及を妨げる要因となっています。MAHLEグループが提案する電気トラック向けの新しいレンジエクステンダーシステムは、これらの課題に対する解決策となるものです。

このレンジエクステンダーは、必要に応じて稼働し、バッテリー電気トラックの航続距離を大幅に延長するスマートなパワーユニットです。発電機、内燃機関、サーマルマネージメント、燃料タンク、AdBlueタンク、排気ガス浄化システムを一体化したコンパクトなユニットとして設計されており、既存のバッテリー電気車両プラットフォームへ容易に組み込むことができます。

トラックのシャーシとコンポーネントの技術図

主要コンポーネントである高電圧発電機は、連続出力110 kW、最大130 kWのピーク出力を発揮します。新開発の先進的なオイル冷却システムにより、1キログラムあたり7 kWを超える高いパワー密度を実現しています。さらに、高温側48 kW、低温側15 kWの冷却能力を備えた統合型サーマルマネージメントシステムにより、効率的かつ高い信頼性での稼働が可能となります。

自動車用パワートレイン/熱管理システム

レンジエクステンダーは、従来のバッテリー容量の約3分の1を代替することで、リアアクスル荷重を約400キログラム、車両総重量を約600キログラム削減できます。このシステムを搭載したBEVトラックは、バッテリーで約400 km、レンジエクステンダーで残りの400 kmを走行し、合計800 km以上の航続距離を達成することが可能です。また、従来の駆動システムと比較して、実際の運行条件下でCO₂排出量を80%以上削減でき、HVO100の再生可能燃料を使用すれば、実質的にCO₂排出量ゼロでの運行も実現します。

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レアアース非使用のMCT電動モーター

IAA TRANSPORTATION 2026では、大型商用車の電動ドライブアクスル向けに開発された新型MCT(MAHLE Contactless Transmitter)電動モーターも世界初公開されます。このモーターは永久磁石を使用していないため、レアアースを一切必要としません。これにより、従来の永久磁石同期モーターと比較して車両1台あたり最大3キログラムのレアアース磁石を削減でき、戦略的原材料への依存低減に貢献します。

電動モーター部品

最高出力370 kW、トルク900 Nm超を誇るMCT電動モーターは、大型トラックの過酷な用途に求められる高いパワー密度を実現しています。また、同等のソリューションと比較してドライブシステムを最大10キログラム軽量化し、車両全体の効率をさらに向上させます。VECTOドライビングサイクルでは95%の効率を達成しており、多様な用途を想定した実際のドライビングサイクルにおいても、従来の永久磁石式電動モーターを上回る高効率レベルに到達しています。この技術は、資源保護、高性能、エネルギー効率を融合し、未来志向の電動商用車向けドライブシステムコンセプトを実現するものです。

電動モーターのローターとステーター

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脱炭素化における技術的多様性の重要性

世界的に内燃機関の使用は減少傾向にありますが、中国やヨーロッパをはじめとする主要市場では、依然として内燃機関が重要な役割を担い、商用車セクターを中心に高い需要が続いています。MAHLEは、水素、バイオエタノール、HVO100、バイオLNGなどの再生可能燃料に対応する駆動システムの開発を一貫して進めています。これらの燃料は、特に既存の車両フリートにおいて、CO₂排出量を迅速かつ大規模に削減する大きな可能性を秘めています。

MAHLEグループマネージメントボード会長兼CEOのArnd Franz氏

Arnd Franz氏は、「技術的多様性は脱炭素化の障害ではなく、むしろその前提条件なのです」と述べています。気候変動目標をできる限り迅速かつ経済的に達成するためには、バッテリー式電動ドライブシステム、水素技術、再生可能燃料、そしてレンジエクステンダーシステムが互いに補完し合うことが不可欠であるとMAHLEは考えています。そのためには、技術的多様性を損なわない信頼性の高い規制環境が不可欠であり、MAHLEは市場の実態をより的確に反映した大型商用車向け欧州CO₂規制の見直しを求めています。

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商用車技術とともに成長するMAHLE

MAHLEは、120社を超える商用車メーカーにとって信頼できるパートナーであり続けています。MAHLEグループのコンポーネントは、ヨーロッパで稼働するほぼすべてのBEVトラックおよび燃料電池トラックに採用されており、現在進行中の事実上すべての水素エンジンプロジェクトにも参画しています。商用車セグメント向けの多くの製品で、MAHLEは世界市場リーダー、あるいはトップ3のポジションを確立しています。Arnd Franz氏は、「高度な専門技術とシステムコンピテンスを求めるお客さまにとって、MAHLEは最適なパートナーです。今後5年間で、当社は商用車事業において市場を上回る成長を目指します」と述べています。

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関連情報

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