開発の背景
サーミスターは、自動車や家電、産業機器など幅広い分野で利用される温度センサーです。特に自動車業界では、BEVやHEVの普及に伴い、高効率化、高出力化、安全性向上を実現するための熱マネジメントが重要な開発テーマとなっています。バッテリーやモーターの温度管理、冷却性能の評価において、サーミスターを活用した温度挙動評価の重要性が増しています。
しかし、従来の測定手法では、多チャネル測定時の配線作業が複雑であることや、測定速度、データ処理の負担が課題でした。これらの課題を解決するため、HIOKIは高速かつ多チャネルでのサーミスター測定を可能にする新しいモジュールを開発しました。
製品概要
U8557およびLR8537は、サーミスターと抵抗測定に対応した15チャネル入力の測定モジュールです。最大220kΩまでの抵抗測定に対応しており、50msの高速なデータ更新間隔と16bit A/Dの高分解能を両立しています。
これらの製品は、あらかじめサーミスターの抵抗値と温度特性をメモリハイロガーLR8450またはLR8450-01に登録することで、測定した抵抗値をリアルタイムで温度に換算し記録できます。複数の特性式を設定できるため、メーカーを問わず市場に流通するさまざまなタイプのサーミスターを用いた測定に柔軟に対応します。
拡張性にも優れており、直結型のU8557をLR8450シリーズに4台接続することで最大60チャネル、ワイヤレス型のLR8537をLR8450-01と組み合わせることで最大165チャネルの多点測定を、すべて50msの高速周期で同時に実行できます。この測定速度は、一般的なベンチトップ型デジタルマルチメータ(DMM)と比較して10倍以上も高速であり、バッテリーの充放電と温度を管理するバッテリーマネジメントシステム(BMS)の更新周期に同期したデータ取得を実現します。これにより、BMSの設計検証において精度の高い温度挙動解析が可能となります。さらに、本モジュールは熱電対モジュールなど、他のLR8450シリーズ用モジュールと混在して使用することも可能です。
主な特長
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1モジュールあたり15チャネルのサーミスターおよび抵抗入力に対応
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最速50msのデータ更新間隔
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16bit A/D分解能
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抵抗測定範囲:2000Ω/20kΩ/200kΩ
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簡単かつ確実に配線できる押しボタン式端子台
主な用途
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BEV/HEVバッテリー評価:温度分布解析、充放電時の温度変動解析
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BMS検証:サーミスター測定値とBMS挙動の相関確認
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モーター/インバーター評価:内部温度監視・耐久試験
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多点温度測定:過渡的な熱挙動の可視化
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ワイヤレス温度計測:配線困難環境での測定(LR8537)
製品ラインアップ
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サーミスターモジュール U8557
メモリハイロガーLR8450、LR8450-01用の直結型モジュールです。ベンチ据え置きやラックマウントなど、安定した試験環境に最適です。 -
ワイヤレスサーミスターモジュール LR8537
メモリハイロガーLR8450-01用の無線LAN接続モジュールです。ワイヤレス通信によるデータ転送に加え、AC電源またはバッテリー駆動に対応し、配線レスで自由度の高い温度測定環境を実現します。
日置電機株式会社について
日置電機は、開発、生産、販売・サービスまでを一貫して自社で行う電気計測器のメーカーです。1935年の創業以来、独自の電気計測技術を追求し、「測る」ことで社会課題の解決を支えています。






